ホーム > 浜松市歯科医師会からのお知らせ > 8020とは

 高齢化した社会で健康的に豊かに過ごすために自分の歯でモノを食べられることは重要な要素となります。 食事を楽しみ、自然な会話や笑顔を保つためには、20本以上の歯が必要なことがわかってきました。 現状では、50歳前後から急速に歯が少なくなり、60歳で20本、70歳で12本となり80歳では7本程度しか残っていません。

 こうした状況を憂慮して1989年に当時の厚生省は「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」 という目標を決めました。この目標を達成するための活動を「8020運動」といいます。 よくかんで食べることにより身体の健康を維持することができ、この目標をめざす行為は、私たちの健康のために役立ちます。

 つまり「8020運動」とは単なる歯の健康を目的とした運動ではなく全身的な健康増進を図るための運動といえます。 私たち歯科医師会ではさまざまな活動を通じて「8020運動」を推進しています。


1.口は元気の入口

みなさんもご承知のように口は食べ物つまり栄養の入口です。どんなに丈夫な人でも栄養がしっかり摂れなければ健康とは言えません。つまり口は健康の入口なのです。さらに食欲を満たすという事は大きな喜びですから、おいしく食べる事は元気の源であると言えます。

いろいろな調査・研究から80歳以上で20本以上の歯を維持している人は、19本以下の人に比べて、より
満足度の高い生活を送っている事、また自立性が高い(自分で生活できる)という事が分かっています。

それだけではありません、よく噛む事はいろいろな点で私たちの健康に役立つ事が分かっています。

2.健康のためによく噛む


  • 顎の発達
    ただ硬いものを食べればすぐにあごが発達するものでもありません。何回も噛まないと飲み込めないような繊維質の物を食べるのが効果的です。例えばキャベツ・たくあん・ごぼう・リンゴなどの食べ物です。
  • 殺菌効果
    よく噛む事で唾液の分泌が、より活発になり、唾液の殺菌作用で口腔内の雑菌を洗浄します。
  • 脳の活性化
    顎を動かす事によって、脳への血流量が多くなり脳の活性化が期待でき、認知症防止や脳梗塞予防の効果があるといわれています。また子どもの脳の発達を促します。
  • 肥満の防止
    何回も噛んで食事をすると、少ない量で満腹感が得られます。そしてよく噛む事で食べ物がよくこなれ、胃腸も快調になります。また肥満の防止は生活習慣病予防にもつながります。
  • ストレス緩和
    よく噛む事は精神的なストレスを和らげる効果や集中力を高める効果があります。
  • 胃腸快調
    よく噛むことによって唾液の分泌が促進され、唾液に含まれる酵素の働きによって食べ物の消化を助け、胃腸への負担を軽減します。
  • がん予防
    唾液に含まれる成分には、がんを防ぐ効果があります。

 このように、私達の日常の生活において、口は元気の入口であると共に、よく噛む事は健康のために役立っています。この事から歯科医師会では「8020運動」を提唱し、推し進めてきました。

 ただし歯の数だけの問題ではありません。残っている歯の状態が良くなければ、しっかり食べ物を噛む事はできないのです。歯周病で歯に動揺や腫れがあったり、虫歯で歯が崩壊し痛みのある歯ではいけません。さらに、放置すれば歯を失う事につながります。また、逆に考えれば、もし歯を失う事になった時にはしっかり治療をし入れ歯等を入れて、良く噛める状態にする事が大切であるとも言えます。

さらに、虫歯や歯周病があると口の中の病原菌が増え、私たちの体に様々な悪影響を及ぼす事が分かっています。

3.口と体はつながっている


  • 誤嚥性肺炎
    特に高齢者などが食べ物を誤って吸引した時、菌が肺に入って肺炎を起こしやすくなります。
  • 心臓への影響
    菌が血液を介して心臓に達し、心弁膜症・心内膜炎をおこします。また、動脈硬化を悪化させ狭心症・心筋梗塞を起こしやすくなります。
  • 糖尿病
    歯周病があると血糖値を悪化させコントロールを難しくします。
  • 早産・低体重児出産
    菌の毒素の影響で早産や低体重児出産が多くなる事が分かっています。
  • その他
    敗血症・皮膚炎・胃潰瘍・頭痛などへの影響があります。

このように口は全身と密接な関係にあり、口の中の状態が悪いと病原菌やその毒素が私たちの健康に悪い影響を及ぼすのです。

 このような事を予防するためには、口の中の病原菌を減らす事です。まず歯垢と歯石を出来る限り取り除きましょう。それには日常のお口のお手入れが大切です。毎日のブラッシングをしっかりして、歯科医院で定期的なチェックと歯石除去をしてもらい、日常生活のアドバイスを受けましょう。


 初期のうちは虫歯も歯周病も自分では気が付きません。また、通院できなくて放置した虫歯や歯周病は変化が無い様でも必ず進行・悪化しています


最近の私たちの食習慣は、あまり噛まずに飲み込める、ハンバーグ・パスタなどのメニューが増え、食事時間が短くなり、噛む回数が少なくなりました。また、やわらかい食べ物は、歯垢や歯石が付きやすくなります。かつて生肉しか食べず虫歯の無かったエスキモーの人たちも食生活の変化で歯垢や歯石が付くようになり今では虫歯や歯周病があるそうです。また、最近ペットの犬や猫にも歯垢や歯石がよく付くようになり虫歯や歯周病が有るようです。

 このように、
食習慣の変化により、以前より、口から健康を損なう危険性が高まってきていると言えます。私たちは健やかな日常生活を過ごすために、自分の口を管理し守る必要があります。そこで、一つの目標となるのが8020です。つまり、「8020をめざす事によって全身の健康を守り、豊かな日常生活をおくろう」というのが8020運動の目的です。したがって、8020をめざす行為自体が大切なのです。

 そのためには、かかりつけ歯科医の定期健診を受ける事が一番の近道です。口の中の状態は人によって違い、絶えず変化しています。その時の自分に合った処置とアドバイスを受けましょう。また、定期的な歯石の除去は必要不可欠です。かかりつけ歯科医については、かかりつけ歯科医のページをご覧下さい。

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