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●キシリトールについて

 今回は、ちまたで有名になっているキシリトールのお話しをしましょう。

 皆さんは、最近になってよくキシリトールという名前を、リカルデント・キシリトールガム・キシリッシュ・トライデント等で目にしていると思います。

 キシリトールは、天然素材甘味料です。白樺や樫などの樹木から取れる成分で(キシラン・ヘミセルロース)を原料にして主にフィンランドで生産されています。また、多くの野菜や果実に含まれ、生体内でも作られている天然で唯一の5炭糖の糖アルコールです。

 例えば、いちご100g中に、キシリトールは362mg、ほうれん草100gには、107mg含まれています。
 その特徴として、食用砂糖(ショ糖)と同等の甘味度があり、カロリーは2.8Kcal / gで砂糖の25%OFFです。
 また、インシュリンに関係なく代謝され、糖尿病患者さんにも安心して使用でき、糖尿病患者向け輸液医療品原料としては以前より日本でも使用が認められています。

 キシリトールの虫歯予防に役立つ効果としては2つ挙げられますが、1つめは、キシリトールの甘さにより唾液を出させる効果です。唾液量が増えることにより緩衝能が高まり、歯の再石灰化を促進します。2つめは、プラーク(歯垢)中のミュータンス菌(虫歯を作る代表的な菌)を減少させ、酸の生成を抑制し虫歯にならない様にする効果です。ミュータンス菌は通常、糖を取りこみエネルギー源として酸を生成します。この酸が虫歯の原因となります。しかし、ミュータンス菌はキシリトールを取り込んで栄養にすることができないために、弱ってしまい、酸も生成できなくなります。従って虫歯ができにくくなるのです。

 もう少し詳しく説明すると
通常、歯の表面についているプラークには、善玉菌(キシリトールに感受性のないミュータンス菌) が約10〜15%と、悪玉菌(キシリトールに感受性のあるミュータンス菌)が、約85〜90%、住んでいます。悪玉菌は口の中に食べかすや糖があると、それを取りこんで酸を作ります。この酸が虫歯の原因となっているのです。そしてこの悪玉菌はエネルギーを蓄えて増えていき、ネバネバ成分を出して、歯の表面にしっかりくっつきます。そのため歯ブラシしてもなかなか落ちません。善玉菌はネバネバ成分を出していません。そのため、歯ブラシで簡単に落ちるので、虫歯の原因になりにくいのです。

 キシリトールがあると悪玉菌は、他の糖と同じように取り込んで酸を作ろうとしますが、うまく作る事ができません。結局、取りこんだキシリトールを外に出してしまいます。しかし、いったん外に出したキシリトールを悪玉菌は、また取りこんでしまうのです。この時、キシリトールは悪玉菌のエネルギーになりません。逆にエネルギーを消費してしまい、数が減ってしまいます。善玉菌はキシリトールを取りこみません。そのためエネルギーを消費することもなく、数がだんだん増えていきます。

 キシリトールを1日3食後に食べ続けていると、ほとんどが善玉菌になります。キシリトールを食べ続けた場合(2週間以上)75〜83%くらいが善玉菌になったという報告もあります。増えた善玉菌は虫歯の原因になりにくく、歯ブラシで簡単に剥がれ落ちます。そのため歯の表面についているプラークの量も減っていきます。

 では、キシリトールは他の糖(砂糖、果糖)と比較してどのくらい虫歯予防効果があるのでしょうか?

 フィンランドのトゥルク大学における2年間の実験では、砂糖と果糖の平均DMFS値(虫歯発生指数)は、それぞれ7.2と3.8でしたが、キシリトールでは、事実上全く新しい虫歯は発生しなかったという報告があります。

 また、キシリトール含有率の高い(70%以上)ガムには歯垢中のミュータンス菌を減少させる効果があります。(Wennerholmの研究)

 キシリトールにはいろいろな効果があります。でもキシリトールを食べれば必ず虫歯予防ができるわけではありません。

 一番大切なのは歯磨きですね! 皆さん、80歳で少なくとも20本の歯を保つように、歯の裏側や間、歯ぐきとの境目をきちんと、毎日磨きましょう!

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