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● 乳幼児の歯と口の健康(知ってほしい子どもの口の未来のために)

目次
第1章 乳児期の口の中の状態(1歳6カ月ぐらいまで)

母体と赤ちゃんの歯の関係
歯が生まれつき生えている
哺乳ビンむし歯
歯のできる時期と生え方

第2章 哺乳と離乳

上手にオッパイ飲んでいますか
赤ちゃんの味覚
離乳の目的と開始時期
離乳のすすめ方と断乳時期
手づかみで食べよう
コップで飲もう

第3章 幼児期の口の中の状態(6歳ぐらいまで)

上唇小帯と舌小帯の異常
口内炎がよくできる
歯肉炎
歯の数や形や色がおかしい
前歯の先端がぎざぎざしている
6歳臼歯は歯の王様
歯の汚れが落ちない
口臭が気になる
指しゃぶり・おしゃぶりについて
舌足らずな発音をする
歯ぎしり
いつも口を開いて息をしている

第4章 幼児期の食生活

めりはりのある食生活習慣
おやつと心の発達
好き嫌いが多い
噛むことについて
固いものをいやがる
食べるのが遅い
口にためて飲み込まない
食べるたびに歯は溶ける
「だらだら食い」がいけない理由
清涼飲料の飲み過ぎ防止
スポーツドリンクにご用心
スナック菓子の恐怖
代用甘味料の利用

第5章 歯口清掃

歯磨きのポイント(いつからどのように)
歯ブラシの選び方
デンタルフロスの使い方
歯磨剤・洗口剤の利用
歯磨きの補助用具

第6章 むし歯予防

フッ素のはたらき
フッ素の上手な利用法
フッ素はいつから、何回ぐらい
フッ素の安全性
むし歯の進行止め(フッ化ジアンミン銀)
シーラントとは

第7章 歯科治療

歯科医院のかかり方
治療を泣いていやがる
治療時の母子分離
注射の麻酔
急な歯の痛み
乳歯のむし歯の特徴
むし歯の治療法
歯と歯のあいだのむし歯
乳歯の前歯の治療
予防接種と歯の治療
レントゲン写真の必要性
障害を持っている子どもの歯の治療
けがで歯がかけた、抜けた

第8章 歯並び

子どもの歯並び
矯正を始める時期
子どもの歯がうまく抜けない
歯並びと扁桃腺、アデノイドとの関係


第1章 乳児期の口の中の状態
(1歳6カ月ぐらいまで)

母体と赤ちゃんの歯の関係
◎つわりがひどくても赤ちゃんの歯に悪い影響はありません。つわりでつらいときは食べたいものを食べてください。バランスのとれた普通の食事をとっていれば、健康な歯はつくられます。胎児の発育に障害をもたらす薬や放射線、細菌感染などの母体の異常は赤ちゃんにも影響を与えることがあります。産科医と十分相談してください。

歯が生まれつき生えている
生まれたときすでに歯が生えていたり、生後間もなく歯が生え始めることがあります。この歯を「先天性歯」と呼びます。下の前歯に多くみられます。特に問題がなければそのまま様子をみます。処置に関してはかかりつけの歯科医院にてご相談ください。

哺乳ビンむし歯
子どもを寝かせるとき、哺乳ビンにミルクやスポーツドリンク、乳酸菌飲料、ジュースなどを入れて飲ませると、上の前歯が全部溶けてしまいます。寝ているときは唾液があまりでないので、上の前歯は糖分づけになっているからです。

歯のできる時期と生え方
歯の形ができるのは妊娠4カ月半ぐらいからです。最初に生える永久歯もすでに芽ができ始めています。
乳歯はまず下の真ん中の2本から生後7〜9カ月頃生え始めます。離れたりねじれて出てくることがありますが心配いりません。1歳3カ月頃になってもまだ歯が生えてこないようなら相談しましょう。続いて上の真ん中の2本という順番で、最後に上の奥歯(第2乳臼歯)が2歳半頃生えてくるのが平均的です。3歳頃には上下20本の乳歯がそろっていますが、個人差があります。多少遅くても問題ありませんが、心配でしたら3歳児歯科健診の時にご相談ください。

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第2章 哺乳と離乳

上手にオッパイ飲んでますか
赤ちゃんはオッパイを吸うことでお母さんとの強い絆をつくり、食事以外に情緒の発達にとっても大切な意味をもっています。オッパイを吸うことにより舌、唇、頬、あごの運動機能と形態の発達をさせます。
哺乳ビンを使用するときは乳首は、吸い穴の大きいものや流量の多いものはやめましょう。月齢にしたがって大きい乳首に変えていくことが必要です。
上手にオッパイを飲めない理由として、以下のことが考えられます。主治医に相談しましょう。

1 未熟児のため機能が未発達。
2 舌小帯が短く、舌の運動が機能的でない。
3 お母さんの飲ませ方が上手でない。
4 お母さんの乳首がへこんでいたり飲みにくい形をしている。

赤ちゃんの味覚
味覚形成の基礎は離乳期です。離乳期からの食生活が食べ物の好き嫌いにつながります。
できるだけ多くの種類の味、食物を体験させ、薄味で育て、甘党にはさせないよう注意しましょう。

離乳の目的と開始時期
離乳の目的は栄養の補給もありますが、赤ちゃんに形のある食べ物に慣れさせ、噛む能力を徐々に育成することや、いろいろな味を覚えさせる味覚トレーニングの意味もあります。すなわち食べるための練習期であると考えられます。離乳の開始は生後5カ月頃を目安としてください。

離乳の進め方と断乳児期
味付けはごく薄味にし、赤ちゃんの口の中に食べ物を入れるのではなく、自分自身のくちびるでとらせることが大切です。
離乳の進め方は食品の種類とは関係なく、調理形態で決めて差し支えありません。すなわちどろどろ食→舌でつぶせる程度→歯ぐきでつぶせる程度の調理形態へとすすめていけばよいと思います。
食品はバラエティーに富む方がよく、開始の頃は米、ジャガイモなどのでんぷん質性食品を主とし、その後、豆類、卵、魚、肉などの蛋白食品を配慮して調理してください。
離乳食の後のミルクは次第に減量し、中止していきます。断乳は1歳を目安にし、遅くとも1歳6カ月までには完了しましょう。

手づかみで食べよう
手づかみで食べます。物の温度、固さの感触を知り、それに合わせて物を握る力加減を練習し、口に運んで前歯でどのぐらいの量を噛み取ったらよいか、自分で処理できる量や大きさを学習します。さらにくちびるの補食力の強化に役立ちます。

コップで飲もう
コップで飲むにはくちびるの機能が大切です。コップのふちを上下のくちびるではさませるようにして、コップを少し傾けてあげます。子どもが自分の力ですすりこむようになれば、お母さんはコップを支えるだけでよいでしょう。

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第3章 幼児期の口の中の状態(6歳ぐらいまで)

上唇小帯と舌小帯の異常
上唇小帯とは上くちびるの内側のすじのことで、それが上の前歯の裏側までつながっていると、歯ブラシがあたって、歯磨きをいやがり、前歯をむし歯にしてしまうことがあります。一般的には成長とともに改善しますが、永久歯に生え代わっても前歯の間にすじが入り込んですき間が残っていれば歯科医院にてご相談ください。
舌小帯とは舌の裏側のすじのことで、それが短すぎると舌を前にのばしてもハート型になってしまうことがあります。そうなると舌の運動が制限され、まれにですが発音や飲み込みに問題を持つことがあります。この場合も歯科医院にてご相談ください。

口内炎がよくできる
口の粘膜や歯ぐき、舌にできた小円型の潰瘍を口内炎と言い痛みを伴います。
かぜやインフルエンザで高い熱が出た後、身体の抵抗力が落ち、口の中の雑菌が増えることでできることもあります。
うがいをして口の中を清潔にすることと、特効薬はありませんが寝る前に小児科か歯科でもらった塗り薬をつけてください。また、熱い・冷たい・辛い・しょっぱいなどの刺激的な食べ物は避けましょう。
原因はさまざまですがほとんど1週間ほどで消えてしまいます。

歯肉炎

歯ぐきが赤く腫れて食事や歯磨きのとき、血が出やすくなります。

1 不潔性歯肉炎
口の中に汚れがたまってできる歯肉炎のことです。歯垢(細菌のかたまり)を歯ブラシで取り除くことにより治ります。腫れている歯肉を強くこすると出血しますし、子どもは痛くていやがりますので、はじめは柔らかく少しずつ磨いてください。
2 ウィルス感染による歯肉炎
突然高熱が3〜4日続いて、熱が下がると、歯のまわりの歯ぐきから血が出ることがあります。体力が消耗していて、口の中の細菌が急に増えたためです。歯磨きは痛がるようなら一時中止し、炎症がおさまってから再開してください。
3 萌出性歯肉炎
歯が歯ぐきを突き破って生え始めるときになることがあります。一時的なもので清潔にしておけば自然に治ります。
炎症がひどく、腫れや出血、痛みが強いときは歯科医院にて診てもらってください。

歯の数や形や色がおかしい

歯の数が多い
乳歯では上の前歯にまれにみられることがあります。必要のない余分な歯なのでほとんどの場合抜歯します。

歯の数が足りない
乳歯では下の前歯の数が足りないことが時々あります。永久歯と生え代わる6〜7歳頃、歯科医院にて相談しましょう。必要があればレントゲン写真を撮って説明してくれます。

変わった形の歯
「癒合歯・癒着歯」とよばれる2本の歯がくっついたものから、「円錐歯・矮小歯」と呼ばれる小さく円錐状の形や細くとがった形になったものがあります。大きな支障がありませんので定期的な健診を受けながら観察しましょう。
「形成不全歯」と呼ばれる歯は歯が作られる時期に何らかの障害をうけ、黄色でざらざらした状態や白く溶けかかった状態でむし歯になりやすいので、歯科医院にて予防処置を受けましょう。

前歯の先端がぎざぎざしている
生えたての前歯の先端はぎざぎざしていたり、でこぼこしているのが当たり前です。加齢とともにすり減ってなくなってしまいます。

6歳臼歯は歯の王様
6歳頃、子どもの歯の奥から出てくる第一大臼歯のことです。
歯の中で一番大きく、噛み砕く力も最大です。しかも噛み合わせのカギを握っている大事な歯です。
生えたての歯は質が弱く抵抗力がないので、フッ素やシーラントの予防処置を早めに受けましょう。
10歳頃までは小さめの歯ブラシで親が仕上げ磨きをしてあげてください。

歯の汚れが落ちない
お茶を頻繁に飲む子どもや口で息をする子どもには、茶しぶのような汚れが歯についているのがみられます。なかには歯の表面全体や歯ぐきのさかいに黒いヤニのようなものがつくことがあります。原因はまだわかりませんが、口の中の細菌や唾液が関係あるようです。特に心配はいりません。

口臭が気になる
口臭には、健康な人でも朝起きたときなど臭うものがあります。寝ている間は唾液の量が少なく、口の中の細菌が食べかすを分解して臭いが生じます。寝る前に丁寧に歯磨きすれば心配はいりません。口で息をしている場合も口臭が生じます。舌の表面が汚れている場合も口臭の原因になりますので、歯ブラシでこすってきれいにしてください。
最も多いのは口の中の病気です。むし歯の穴に食べかすが詰まっていたり、膿が出ている場合、歯肉炎がある時も口臭の原因になります。また、時には糖尿病、蓄膿症、胃炎などの全身疾患が関係することもあります。

指しゃぶり&おしゃぶり
子どもの指しゃぶりは年齢によって意味が異なります。2歳までは生理的なものであまり心配はいりません。いずれ自然にやめることが多いようです。4、5歳まで続くと噛み合わせに影響が出ることが多くなります。出っ歯になったり、上下の前歯が噛み合わなくなり、食べ物が前歯で噛み切れなくなります。
叱ってやめさせるのではなく、やめたいのにやめられない気持ちを理解しながら励ましてあげることが大切です。
指しゃぶりを注意するのは家庭より園の先生、または歯科医などの方が適任です。
「おしゃぶり」は唇と舌に心地よい感覚を与え、情緒を安定させる効果があります。しかし、不衛生であり、指しゃぶり同様あごの成長や歯並びに影響が出ることがあります。


舌足らずな発音をする
上手に発音できない音がいくつかあって、たとえば「おたあたん、おたたなちでいね(お母さん、お魚きれいね)」と話しても、それほど気にすることはありません。多くの子どもたちの場合、ごく普通の社会環境の中にいれば発音は年齢とともに上手になります。
周囲の人達もゆっくりと正確に発音するよう気をつけましょう。

歯ぎしり
子どもの歯ぎしりは噛み合わせの異常やストレスの関連が注目されていますが、実態は不明です。一般には永久歯に生え代わるころには気にならなくなっています。
上下の歯がすり減って平らになってしまっても噛む機能には問題ありません。

いつも口を開いて息をしている
鼻で呼吸できない場合は、アレルギー性鼻炎、アデノイド、扁桃腺肥大などが原因の場合がありますので、耳鼻咽喉科を受診してください。口呼吸が続くと、あごの成長や歯の生え方に悪い影響を及ぼし、出っ歯や上下の前歯が開いて噛み合わせることができなくなる場合があります。鼻で呼吸できるが普段は口で呼吸する場合は、唇を閉じる習慣を練習したり、安静時の舌の位置を学習します。小児歯科や矯正歯科にて筋機能訓練を必要とする場合もあります。

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第4章 幼児期の食生活

めりはりのある食生活習慣
3度の食事中心の食生活にしましょう。
「ママ!のどがかわいたあ」の声にはお茶かお水をあげましょう。
おやつは甘食ではなく、3度の食事の間の間食でもう1回の食事と考えてください。
甘いおやつは決まった量をパッと食べさせましょう。「だらだら食い」がむし歯の原因です。

おやつと心の発達
おやつは時間を決め、メリハリをつけて食べることです。すなわち「食べるときはしっかりと食べる」、「ダメなときはどんなにお願いしてもダメ」ということを教えることです。我慢することで忍耐強さ、たくましさなどの心の発達にも良い影響を与えます。また決められた時間まで待つことでおやつのおいしさが倍増します。
そのためには子どもがお母さんに「食べていい」・「買っていい」・「飲んでいい」・かどうかたずねるように育ててください。「いいよ」・「コップ一杯だけよ」・「ご飯食べてからにしなさい」などと親子の会話ができることが大切です。

好き嫌いが多い
2歳ごろまではまだ味覚形成が十分ではありません。はじめての味は警戒してすぐに食べないこともありますが、あきらめず気長にいろいろな味や噛みごたえに慣れさせましょう。甘いもの、やわらかいもの、味が濃いものは子どもにとっておいしいと感じます。甘いお菓子が多い子どもは野菜嫌いが多いようです。味覚形成のうえからも薄味にして、甘党にしないことが好き嫌いを減らす秘訣です。 

噛むことについて

効能
・肥満の予防 ・味覚の発達 ・言葉の発音が明瞭 ・脳の活性化 ・ガン予防 ・むし歯、歯周病の予防 ・歯並びをよくする ・胃腸の快調 ・情緒安定

固いものを噛めばすぐにあごの骨が大きくなるというものではありません。食品のもち味を生かし、固いものというより、よく噛まないと飲み込みにくい繊維質のものを食べましょう。たとえばキャベツなども10回ぐらい噛んだだけでは飲み込めません。
たまには子どもと向き合って、両方のおく歯で、いつもより10回多く噛んでみようと決めて食べてみましょう。よく噛むことで唾液もたくさん出て上手に飲み込むことができるようになり、今までにない味わいが得られるはずです。

口の中に食べ物が残ったままお茶、水、牛乳を飲むと流し込み食事になります。よく噛んで飲み込むという正しい食べ方が発達しないで液体食人間になります。


固いものをいやがる
3歳ごろになれば何でも食べられるようになります。でも固い肉やするめ、かた焼きせんべい、玄米ご飯、フランスパンなどは少し噛んで出してしまう子もいます。子どもが意欲的に食べたがっている場合は別ですが、食べ物の固さが子どもの発達段階にあってない可能性があります。急いで与える必要はないでしょう。固いというイメージより、20〜30回噛んで唾液と混ざらないと飲み込みにくい食品をとることが大切です。キャベツ、白菜、キノコ、キュウリ、だいこんなど繊維質の野菜を取ることです。

食べるのが遅い
テレビを見ながらとか、おもちゃで遊びながら食べると、当然食べるのが遅くなります。性格がのんびりしているお子さんも食べるのが遅いようです。身体を使って遊ばせ、おなかが空いた状態で食事ができるように工夫しましょう。

口にためて飲み込まない
食べ方の発達
食べ物をゴックンと飲み込むときには、上下のあごと唇を閉じ、舌を上あごに押しつけて飲み込みます。
調理状態
まず舌で上あごに押しつぶして飲み込める柔らかさの食べ物を選んで練習しましょう。

食べるたびに歯は溶ける
食べるたびに歯の表面では脱灰と再石灰化を繰り返しています。

脱 灰 :炭水化物(でんぷん)が口の中に入ると、速やかに歯垢中の細菌により分解され酸が生じ、歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出します。
再石灰化:食事後、唾液により食べ物が洗い流され中和されると、唾液の中にあるカルシウムやリン酸イオンが再び歯に沈着します。

「だらだら食い」がいけない理由
砂糖(糖質)だけでなくでんぷん(炭水化物)をとれば必ず口の中は酸性になります。PHが5.5以下になると歯は溶け始めます。(脱灰)これが唾液の働きで元に戻ります。
(再石灰化)
何を食べるかよりも間食回数や食べた後に口の中にどのぐらい食べかすが残っているかということが重要です。

清涼飲料水の飲み過ぎ防止
清涼飲料水を水がわりにしないでください。
買うときには表示をよくみましょう。(砂糖g、果汁%、添加物)
スポーツドリンク、果汁100%もむし歯になりやすいので気をつけましょう。
乳酸菌飲料は胃腸に良いと思って飲ませますが、砂糖が多くむし歯の大きな原因です。
スポーツドリンクは健康飲料のイメージがありますが、PH4ぐらいと酸度が高く、糖分も多く含みむし歯を作りやすいです。

スナック菓子の恐怖
砂糖が少ないからむし歯になりにくいのではないかと思われますが、スナック菓子の材料はデンプンなので粘着性があり、口の中に長く残りやすく、そのため糖に分解されむし歯になりやすいです。スナック菓子は化学調味料、油脂、食塩で味不足を補い、「やめられない、とまらない」味にしています。

代用甘味料の利用
むし歯になりにくい甘味料を使っているおやつを食べましょう。

むし歯になりやすい甘味料:砂糖、ブドウ糖、果糖、水飴
むし歯になりにくい甘味料:糖アルコール(マルチトール、パラチニット、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール)、パラチノース、アスパルテーム

砂糖が使われていなくても、デンプン(多糖類)があれば、口の中で分解されて酸を出す可能性があります。内容を確認しましょう。

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第5章 歯口清掃

歯磨きのポイント
いつごろから

歯が生えてきたら(7〜8カ月)歯磨きの習慣づけを始めましょう。赤ちゃんが何でも口の中に入れたがる頃から、親が注意して見守りながら歯ブラシを持たせましょう。
どのように
2歳頃までの歯磨きは遊び感覚でよいので、いやがるのを無理に押さえて磨くのはやめましょう。お母さんの仕上げ磨きは短時間で切り上げましょう。
きげんがよいときに、お母さんの膝の上に寝かせて歯ブラシの毛先がきちんと歯面に当たっているのを確認しながら、軽い力で細かくこすりましょう。
3歳過ぎたら、夜寝る前の仕上げ磨きの習慣づけをしましょう。磨く順番を決め、(たとえば時計回り)1歯面20〜30回を目安にしましょう。
唇やほっぺ、舌などが邪魔して歯ブラシがうまく動かせない場合は、左手の指を上手に使いましょう。
ブクブクうがいができるようになるまでは(3歳ぐらい)練り歯磨きはつけずに磨いてください。

歯ブラシの選び方
歯ブラシの大きさは小さめのものを選びましょう。目安は一つ小さめのものにしましょう。

園児→乳幼児用
小学校低学年→園児用

歯ブラシの毛先はナイロン製、短め(7・〜8・平らでコシのあるものがよいでしょう。)
歯ブラシの毛先が開いたり、まるまったら歯の汚れは落ちませんので交換してください。目安は1カ月に1本と考えてください。

歯磨剤・洗口剤の利用
ブクブクうがいができるようになったら(3歳頃)何もつけずに磨いた後、歯磨き剤を少しつけて(歯ブラシの毛の長さの1/3程度)もう一度磨いてください。うがいは2〜3回にしてください。フッ素の効果がなくなります。
洗口剤は液体なので口の中のすみずみまで薬液が到達します。フッ素による洗口は効果的です。


歯磨きの補助用具
一般の歯ブラシ以外に歯磨きの道具はつぎのようなものがあります。

◎歯間ブラシ
歯と歯の間を清掃する道具です。子どもの奥歯は歯間ブラシが入る箇所はなく、無理に入れると歯肉を傷つける心配があるので使いません。矯正装置をつけているときなどに使うことがあります。
◎電動歯ブラシ
毛先が細かく振動するので効果的です。しかし、歯ブラシの毛先の当て方は強く押しつけないようにしてください。また、小児では振動に負けないように本体を保持するのはむずかしいようです。手が不自由な方が利用されると便利です。
◎歯垢染め出し液
歯の汚れを染め出す赤い液体です。歯垢(細菌のかたまり)がどのくらいついているのか、どこが汚れているのか鏡で見て確認することは歯磨きの上達につながります。ときどき家庭でも使用するとよいでしょう。錠剤もあります。

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第6章 むし歯予防

フッ素の働き
フッ素はエナメル質表面の成分と入れ替わり、むし歯菌の出す酸に溶けにくい強い歯にかわります。フッ素自身がむし歯菌の活動を抑制します。

フッ素の上手な利用法
フッ素を利用するとむし歯は3〜5割減少します。
歯科医院で定期的にフッ素(高濃度)を塗布すると丈夫な歯になります。
家庭では3つの方法があります。(低濃度)
フッ素入り練り歯磨きで歯を磨く方法
フッ素洗口液で洗口(ぶくぶくうがい)する方法
フッ素入りスプレーで噴霧する方法

フッ素はいつから、何回ぐらい?
出てきたばかりの歯は弱いので、歯が生えてくればフッ素を塗った方がよいです。しかし、泣くことも多いので、1歳6ヶ月児健診のころを目安にしてください。
塗る回数は多くても構わないのですが、3〜6カ月に1回は塗りましょう。


フッ素の安全性
フッ素の安全性に関しては、WHOをはじめ、日本歯科医師会、日本口腔衛生学会などの専門団体が認めています。
30年以上水道水フッ素化を行っている多数の諸外国で、安全性を疑わせる証拠は見出されていません。

むし歯の進行止め(フッ化ジアンミン銀)
フッ素と銀が含まれた苦みのある溶液で、一般には進行止めの薬、または商品名で「サホライド」と呼んでいます。フッ素塗布とは違い、塗ることによりむし歯の部分が黒く変色します。

シーラントとは
歯の細かい「みぞ」にプラスチック樹脂を流し込む方法です。
生えたばかりの大人の歯は弱いので、そのまま放っておくとむし歯になりやすいです。
そこで「みぞ」をきれいにそうじして、樹脂でふさいでやれば汚れが入り込みにくいわけです。

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第7章 歯科治療

歯科医院のかかり方
1歳6カ月児健診をきっかけに、定期健診やフッ素塗布をおこなったらいかがでしょうか。

持っていくもの

1.保険証
2.母子手帳
3.乳幼児医療費受給者証
4.お子さんがいつも使っている歯ブラシ
5.汗をかいたり、年齢によっては緊張してお漏らしをすることもあるので着替えも用意しましょう。

この時期からむし歯、歯肉炎、歯並びなどの歯科的問題点を観察してもらいながら、定期的な歯磨きや予防処置をしてもらえるかかかりつけ歯科医を持ちましょう。

治療を泣いていやがる

2歳時
まだ泣いていやがって当たり前です。健康な証拠です。

3歳時
自我の芽生えにより、3歳後半から慣れれば一人で治療ができる子どもが徐々に増えてきます。
応急処置が必要であれば十分な説明後、泣いていても治療します。

4〜5歳児
話を聞くことができ、理解できる年齢なので、納得させてから治療します。
うそをついて連れてきたり、眠い午後の時間に連れてくると泣いてぐずることがあります。歯科医院へ連れて行くときの説明の仕方と時間帯は気をつけましょう。
お母さんは治療後、お子さんが頑張ったことを必ずほめてあげてください。

治療時の母子分離
3歳過ぎたら治療室に入るのは子どもだけとお願いする歯科医院が多いようです。このころから少しずつ環境に適応できる能力が身に付いてきます。
治療室にお母さんがいると子どもの関心はお母さんにとられ、歯科医との信頼関係を築きにくくなることが多いようです。

注射の麻酔
歯を削ったり抜いたりする処置を痛くないようにするために、注射の麻酔をします。
針を刺す表面に麻酔薬を塗ったり、細い針を使って柔らかい歯ぐきにそっと刺すので思ったほど痛くはありません。
ごくまれに薬でアレルギーをおこすことがありますので、アレルギー体質の場合は前もって申し出てください。
麻酔でしびれた唇や頬の内側を自分の歯で噛んでしまい、倍ぐらいにひどく腫れて食べられないことがあります。

急な歯の痛み
歯の神経まで届いているような大きなむし歯は、急に痛むことがあります。
食べ物がそこに押し込まれているときはそっと取り除いてください。その後、ぬるま湯で軽くうがいをさせるとよいでしょう。
寝たり、お風呂に入ったりすると、体温が上がり、血のめぐりがよくなって化膿したところが痛むことがあります。冷たいタオルで冷やし、痛み止めを飲ませてください。

乳歯のむし歯の特徴
進み方がとても早く、お母さんが気がついたときはかなり大きいことが多いです。
(ある日突然、大きな穴が開いてしまう)
数本の歯が同時にボロッとくずれます。
むし歯がかなり進行しても痛がらないことが多いです。
放っておくと急に痛みだしたり、顔が腫れたりすることもあります。
むし歯が進んで化膿した乳歯は、永久歯に悪影響を及ぼすことがあります。


むし歯の治療法

むし歯を削る
むし歯は広い範囲に深く進んでいることが多く、削る量も多くなりがちです。削り終わると神経を保護する薬を塗って、詰め物をして元の形に治します。削る量が多ければ冠(クラウン)をかぶせることもあります。
神経を取る
神経にまで届いているときは神経(歯髄)を途中で切断したり、全部取り除くことになります。そのあとは上から冠をかぶせて治します。あごの中にある大人の歯には影響ありません。
根の治療
むし歯が大きくなって神経が死んで根の先まで化膿していると、根の先まできれいに薬が届くように削って消毒し、きれいになったら薬を詰めます。

歯と歯のあいだのむし歯
知らないうちに歯と歯のあいだが欠けて穴が開き、食べ物がつまって痛むことがあります。すでに神経までむし歯が届いてしまっていることも多いです。むし歯を見つけるためにレントゲン写真を撮ってもらい、むし歯があれば早めに治しておきましょう。

乳歯の前歯の治療
前歯は奥歯に比べむし歯の進行が遅く、また詰めても取れやすいため、小さなむし歯はむし歯の進行をおさえる薬を塗りながら様子を見ることが多いようです。ただし、むし歯の部分が黒くなる欠点があります。

レントゲン写真の必要性
歯やあごの病気の診断、あごの骨の中の歯の成長を知るためにレントゲン写真の撮影は欠かせません。

レントゲン写真でわかることは
1.むし歯の場所、大きさ、深さ、乳歯の根っこの病気、歯や歯の根っこの破折
2.あごの骨の中の歯の本数、位置、形、大きさ
3.あごの骨の病気や骨折、あごの関節の形

障害を持っている子どもの歯の治療
むし歯の治療に全身麻酔を使うこともあります。そのほうが安全で確実な治療ができる場合があります。
むし歯の治療になると、あばれて的確な処置ができないこともあります。かかりつけの歯科医にて定期的に予防と管理をしてもらうとお子さんも安心できます。
浜松市口腔保健医療センターで、浜松市内の障害者の歯科治療協力医を紹介しています。相談してみてください。

けがで歯がかけた、抜けた
歯がかけた時は、使える場合もありますのでかけた歯をもって急いで歯科医院にて処置を受けてください。
歯がめり込んだり、抜けたときは水道水でうがいし口の中をきれいにしてください。出血がひどいときはガーゼを噛ませてください。
抜けた歯は根にさわらないで牛乳に浸して急いで歯科医院へ行ってください。歯科医院へ先に電話をしておくと早めに準備してスムーズな対応ができます。

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第8章 歯並び

子どもの歯並び
3歳までに上下の噛み合わせがほぼ完成します。乳歯の歯並びにすき間があった方が正常です。大きな永久歯が生えるための準備です。


乳歯の歯並びで気になるものは開咬、反対咬合、交叉咬合、叢生です。

開咬(かいこう):奥歯を噛み合わせたとき、前歯の上下の歯がすいている状態の噛み合わせです。指しゃぶりや口呼吸、舌突出癖によっておこることが多いです。
反対咬合    :下の前歯が上の前歯より前にでて噛み合う「受け口」のことです。
交叉咬合    :奥歯が逆にずれて噛み合う状態です。顔のゆがみにつながります。
叢生(そうせい):歯の並ぶすき間が不足して、歯と歯が重なってでこぼこした歯並びのことです。

矯正を始める時期
すぐに矯正治療を始めるとは限りません。歯並びや噛み合わせ、永久歯が何本生えているかなどによって検討します。
開咬、反対咬合、交叉咬合のような上下の顎の不調和が関係している場合は、就学前に一度「小児歯科」または「矯正歯科」と書いてある歯科医院で相談しましょう。
歯並びがでこぼこしている場合は、前歯が永久歯に交換する頃(7〜8歳)相談しましょう。

治療期間が長期になり、費用も口蓋裂以外は自費となりますので、最初の矯正相談で十分納得できる治療方針や費用の説明を受けてから、矯正治療を開始することが大切です。

子どもの歯がうまく抜けない
むし歯やけがで乳歯の神経の処置をした場合、乳歯が抜けなくて永久歯が横から出てくることがあります。早めに乳歯を抜いてあげれば永久歯はきれいに出やすくなります。それでもきれいに並ばない場合は矯正相談を受けましょう。
乳歯の下にある永久歯は大きいので、出るすき間がなければ永久歯は横から出て、乳歯は抜けないこともしばしばあります。
なかには乳歯の下に永久歯がなかったり、永久歯の発育が遅かったりすることもありますので、歯科医院で相談してください。

扁桃腺&アデノイドと歯並びとの関係
扁桃腺やアデノイドが大きい場合、空気の通り道が狭くなり、呼吸が苦しくなることがあり、そのため舌を前に出したり、口で息を吸うようになります。歯並びは前歯が開いて噛めなくなったり、出っ歯や受け口になる場合があります。
上下の前歯が生えそろう8歳頃、歯並びに問題があれば相談しましょう。ときには扁桃腺、アデノイドの摘出を耳鼻咽喉科にお願いすることもあります。


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