●よく噛むことの効能、歯の数が多い人と少ない人では費やす総医療費がかなり違う
浜松市歯科医師会会長 柳川忠廣
人間は自分の歯の数が多いほど、何でも噛んで食べることができるのは当然です。勿論、歯を失ってもブリッジや入れ歯などで噛む機能を回復する必要があることは言うまでもありません。
よく噛むことが大切なのは昔から広く知られています。小児・学齢期には顎骨の発育や味覚の発育を促し、脳の血流量を増やして脳細胞の働きを活性化します。また成・壮年期には肥満やストレスを軽減して生活習慣病を予防します。さらに高齢期には、よく噛むことにより顎や筋肉の動きが脳細胞を刺激して老化やぼけ予防に繋がります。
このようなことを証明し、裏づけとなるような調査結果が兵庫県国民健康保険団体連合会と兵庫県歯科医師会から最近発表されました。実はこのような調査は兵庫県では既に数年にわたって実施され、同様な調査はこの他に香川県や宮城県など各地で実施され、ほぼ同様の結果を得ています。
兵庫県のデータ(昨年5月に医療機関にかかった70才以上の約26,000名が分析対象)によると、以下のように明確な差が出ました。0〜4本の群では20本以上の群と比較して、6,600円(37%)も医療費が高いことが分かります。
自分の歯が残っている数
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1ヶ月に費やした総医療費
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0 〜 4 本
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24,580 円
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5 〜 9 本
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22,300 円
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10 〜 14本
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19,800 円
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15 〜 19本
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19,770 円
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20本以上
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17,980 円
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Q1 残っている歯の数と医療費には関係がありますか?
はい、70歳以上の方でほとんど自分の歯がない方は20本以上自分の歯がある方に比べ、約1.4倍ほど医療費がかかることがわかりました。
Q2 歯の数が多いお年寄りの健康度はどうでしょう?
昔から、よく咬む、よく咬めることは大切だとされてきましたが、自分の歯の数が多い方の方がより健康だと言えるようです。
Q3 口と全身の健康は関係がありますか?
よく噛むことにより顎や筋肉の動きが脳細胞を刺激して老化やぼけ予防に繋がりますし、ひいては全身の健康に影響します。
Q4 歯を失う原因と、それを防ぐためにはどうすればいいですか?
子供の場合はむし歯で歯を失うことが多いのですが、成人以降は圧倒的に歯周病で歯を失うことが多くなります。歯周病の予防は毎日の歯みがきなどによるセルフケアと、歯医者さんで定期健診を受け、歯石取りなどの定期的なプロフェッショナルケアを受けることが一番です。
Q5 すでに多くの歯が無いのですが、どうしたらいいですか?
現在は歯科の治療法も進歩しており、歯を失っても入れ歯やブリッジ、インプラントなどで機能の回復が可能です。ぜひ歯医者さんに相談してください。